ガウス積分


 ガウス積分は数理統計学や統計物理学等に良く出てくる積分量で

int_gauss.png(564 byte) (1)

となるものである。以下ではこれを導いてみる。

導出

 まず cal_eq011.png(647 byte) として、この二乗を考える。ここで一つ目と二つ目の積分で積分変数を変えてある。定積分において積分変数は自由に変えても問題無かったからだ。

Clip1.png(1481 byte) (2)

となる。これを(平面における)極座標系に書き換える(問)極座標系へ積分変数と積分範囲を書き換えよ。この様にせずに普通に2乗を計算してもうまく積分できない。

Clip2.png(1386 byte) (3)

となる。さらに r 2 = u と置けば(置換積分する)、

Clip3.png(984 byte) (4)

となり求まった。

もう一歩進んで

 ここでは統計物理学などで良く出る積分

Clip4.png(554 byte) (5)

について考えます。ただし n =1,2,3… とする。部分積分を繰り返しても求めることは出来ますが、(1)式の両辺をパラメター a について微分する事で求めたいと思います。(1)式の両辺を1回微分すると

Clip5.png(897 byte) (6)

となるのでこれを整理して

Clip6.png(1049 byte) (7)

が得られます。統計物理学などでこの(7)式を必要とする計算が現れます。さらに n 回微分を考えると

Clip7.png(1304 byte) (8)

を導く事が出来ます。(問)最後の等式を数学的帰納法で証明せよ。

ちなみに

 次の積分が成り立つ事を示せ。
Clip8.png(511 byte)
ヒント:被積分関数は偶関数か奇関数か。
 次の積分を計算せよ。
Clip9.png(467 byte)
ヒント:被積分関数は偶関数か奇関数か。
答え:答えは被積分関数が偶関数だから(8)式の半分になる。

関連項目

置換積分|重積分|座標変換|ボルツマン因子