1 概要

適応フィルタはデジタルフィルタの一種であり、信号処理の一分野をなす。 信号処理は光学信号、音声信号、電磁気信号などの様々な信号を数学的に加工するための学問・技術で、入力と出力が同じ種類(物理量)の信号の場合を特にフィルタリングと呼んでいる。 このフィルタリングをより広い視点で見れば、入力信号から目的の信号を 今回は具体的に外乱除去問題を取り上げ、ノイズに埋もれた信号から目的の情報が再現できる事を確かめる。

1.1 制御工学

入力および出力を持つシステムにおいて、その状態変数または出力を自由に制御する方法全般にかかわる学問分野を制御工学と言う。主にフィードバック制御を対象にした工学である。

大別すると、制御工学は、数理モデルに対して数学を応用する制御理論と、 それを実モデルに適用していく制御応用とからなる。 応用分野は機械系、電気系、化学プロセスが中心であるが、ものを操ることに関する問題が含まれていれば制御工学の対象となるため、広範な分野と関連がある。

図 1: 制御工学とその応用範囲
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1.2 制御理論

制御工学の一分野で、数理モデルを対象とした、主に数学を用いた制御に関係する理論である。いずれの理論も「モデル表現方法」「解析手法」「制御系設計手法」を与える。

1.2.1 制御理論の分類

古典制御理論

処理対象
線形微分方程式で表された系をラプラス変換し、伝達関数として記述する。1入力1出力時不変線形システム。
扱う変数
考察する対象の入力変数と出力変数。
設計手法

現代制御

ポスト現代制御

知的制御

アナログ・デジタル

1.2.2 制御理論が扱う問題

制御理論の対象となる問題は以下のような状況が考えらる。
安定化問題

不安定な制御対象をフィードバック制御により安定化する(cf. 倒立振子)
感度低減問題

制御対象の特性の変動により引き起こされる制御システムの特性劣化を小さくする(cf. )
トラッキング問題

目標信号に制御量を追従させる(cf. サーボ制御)
外乱除去問題

外乱から制御量への伝達特性を小さくする(cf. ノイズフィルタ)
レギュレータ問題

平衡状態にある制御量の変動を出来る限り小さくする(cf. 安定化電源)

1.3 信号処理

信号処理は光学信号、音声信号、電磁気信号などの様々な信号を数学的に加工するための学問・技術で、入力と出力が同じ種類(物理量)の信号の場合を特にフィルタリングと呼んでいる。

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